事例4 解法

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平成27年度本試験での出題可能性が高い分野を優先する。

  • 経営分析
  • キャッシュフロー計算書
  • 設備の取替投資(FCF、NPVの期待値)

加えて、当然のことながら押さえておくべき重要論点。

  • CVP分析
  • 企業価値
  • デシジョンツリー

経営分析

以下の経営指標を計算すれば、だいたい決着がつく。

  • 自己資本比率(長期借入金が増大していればほぼ確実に使用)
  • 当座比率(長期借入金は変わらず、短期借入金が増大していればほぼ確実に使用)
    【分子】流動資産から、商品以下をマイナス
  • 棚卸資産回転率
  • 有形固定資産回転率
    【分子】固定資産から、有形じゃないものをマイナス
  • 売上高総利益率(売上高と売上原価だけ指摘する)
  • 売上高営業利益率(販管費を指摘する場合のみ使用)
  • 売上高経常利益率(支払利息等の営業外費用を指摘する場合のみ使用)

決着がつかない場合は延長戦。

  • 総資本回転率
  • 固定長期適合率

キャッシュフロー計算書

B/S増減額をすべて算出してから、以下のように電卓を叩けば、CF合計値が出る。

B/S借方はマイナスB/S貸方はプラス。科目ごとにM+とかM−とかやっていると電卓の都合で数値がおかしくなるので、B/S借方、B/S貸方、それぞれ全部足しあわせてからメモリーに加えること。

営業キャッシュフロー(法人税と固定資産売却損益がポイント)

  • B/S 受取手形・売掛金の増減額 +
  • B/S 商品の増減額 +
  • B/S その他流動資産の増減額 = M−
  • B/S 支払手形・買掛金の増減額 +
  • B/S 未払法人税の増減額 +
  • B/S その他流動負債の増減額 = M+
  • P/L 減価償却費 M+
  • P/L 固定資産売却益(特別利益) M−
  • P/L 固定資産売却損(特別損失) M+
  • P/L 税引前当期純利益 = M+
  • P/L 法人税等 M−

投資キャッシュフロー(減価償却費と固定資産売却損益がポイント)

  • B/S 土地・建物の増減額 +
  • B/S 設備・備品等の増減額 +
  • B/S その他固定資産の増減額 = M−
  • P/L 減価償却費 M−(営業CFでプラスして、投資CFでマイナスする)
  • P/L 固定資産売却益(特別利益) M+
  • P/L 固定資産売却損(特別損失) M-

財務キャッシュフロー(資本と当期純利益がポイント)

  • B/S 短期借入金の増減額 +
  • B/S 長期借入金の増減額 +
  • B/S 資本の部の増減額 = M+
  • P/L 当期純利益 M−(これと資本の差額が「配当による支出」)

【注意1】計算を始める前に、営業キャッシュフロー関連の勘定科目を黄色でマークしておく。

【注意2】B/SやP/Lの表内に他社や前年の数値がある場合は、斜線をして混同を防ぐ(他社や前年の数値と見誤るポカミスを防ぐため)。

【注意3】P/L減価償却費が不明な場合は、「B/S増減」と「取得」と「売却」から減価償却費を算出する。

  • BOX図を書くのが手っ取り早い:期首+取得=減価償却費+売却+期末
  • B/S増減(期末−期首)=(減価償却費+売却−取得)
  • B/S増減がプラスということは、キャッシュアウトしている(CFマイナス効果)
  • 減価償却費は非資金だからCFプラス効果
  • 売却でキャッシュが入ってくるのだから、当然CFプラス効果
  • 取得はキャッシュが出て行くのだから、当然CFマイナス効果

最後に、B/S現金=営業CF+投資CF+財務CFとなっていることをチェックして完了。

設備の取替投資(FCF、NPVの期待値)

設備の取替投資とは、業務的意思決定よりもリスクが大きい戦略的意思決定に当たる。

意思決定会計ノート(試験委員の大塚宗春著)の真骨頂とも言える以下の文章を徹底的に頭にたたき込むのが肝。

投資案からもたらされる経済的効果を測定するに当たって二つのことを考慮する必要がある。

第一に、経済的効果はキャッシュフローによって測定されるということである。制度的な会計による収益と費用の差額たる利益は投資決定においては、経済的効果の適切な概念ではない。経営活動の結果としてのキャッシュフローの変動を示すキャッシュフロー計算書においてはキャッシュフローが営業活動、投資活動、財務活動に分けて示される。投資案からもたらされる将来のキャッシュフローは投資案を採用することによってもたらされる現金流入額と現金流出額の差額である。キャッシュフローは、しばしば、税引後利益に減価償却費を戻し加えた値として求められる。減価償却費は現金流出を伴わない費用(非現金費用)であるため、キャッシュフローを求めるため利益に戻し加えられるが、非現金費用であれば減価償却費以外の費用であっても同様に処理される。

投資決定で用いられるキャッシュフロー概念では、利子もまた減価償却費と同様に利益に戻し加えられる。利子費用は現金流出額ではあるが、金利費用は投資コストとして割引計算の過程で考慮されているので、利子費用を現金流出額として計上することは、二重計算となってしまうので年々のキャッシュフローの計算に組み入れない。それゆえ、投資の経済価値の評価計算で用いるキャッシュフローは減価償却費・利子控除前の税引後利益と定義される。

耐用年数が経過した後で、投資案が処分価額をもつと予想される場合には、その額は耐用年数終了時の現金流入額として計算に入れなければならない。

(※私の補足 処分価額は、処分に要する費用ではなく、処分時の売却額であるため、処分価額−簿価=売却損益となり、それに税率をかけた値が処分による税効果となる)

第二に、経済的効果は増分で表されなければならない。投資を行わなかった場合と行った場合とで変化する部分にのみ注目することが重要である。

増分効果の測定は決して容易でなく、困難なことがよくある。例えば新製品を生産するための進行上の計画案の場合、新たに発生する収益と費用に注意すればよいように思われるが、新規に工場を設置することによって本社、販売部門、倉庫部門等が影響を受けるとすれば、かかる影響も当然含められなければならない。

(※私の補足 投資を行わなかった場合とは、現有設備を稼働し続ける場合であり、投資を行った場合とは、現有設備を売却して新設備を導入する場合である。最大の注意点は減価償却費であり、新設備導入における正味現在価値を求める際には、新設備の減価償却費は、「新設備の減価償却費−現有設備の減価償却費」で算出する)

正味現在価値の構成要素は、以下の3つである。

①投資額=新設備の原価+付随費用+運転資本の正味変動−旧設備の売却収入+旧設備の売却による税効果

②年々のキャッシュフローの割引額

③処分額=新設備の売却収入+新設備の売却による税効果

年々のキャッシュフローの算出方法は2通りある。

①税引後キャッシュフロー=税引後営業利益×(1−税率)+減価償却費

耐用年数の経過中に運転資本の正味変動があれば、加減算する

②税引前当期純利益を経由して、キャッシュフロー計算書から算出

キャッシュフロー計算書では、小計前において「特別損益」を加減(逆算)することを忘れないように。

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